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玄関で渡すのはNG?手土産を渡すタイミングとスマートな作法【結婚挨拶・訪問】

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大切な人のご両親への挨拶、栄転でお世話になった上司のお宅への訪問。 心のこもった手土産を選んだけれど、いざ渡すとなると「いつ、どこで、どうやって?」と不安になっていませんか。

「インターホンを押して、ドアが開いた瞬間に渡すべき?」 「玄関先でやり取りを済ませるのがスマート?」 「紙袋ごと渡すのはマナー違反?」

特に、結婚の挨拶のような絶対に失敗できない場面では、そのプレッシャーは計り知れません。

でも、ご安心ください。 手土産の渡し方には、相手への思いやりが詰まった「基本の型」が存在します。

この記事を読めば、もう迷うことはありません。 当日のあなたの振る舞いをシミュレーションしながら、スマートな手土産の渡し方をマスターしていきましょう。

【結論】手土産は玄関で渡さない!部屋に通されてからが基本マナー

まず、あなたが一番迷っているであろう疑問にお答えします。

手土産を渡す場所は、原則として「玄関」ではなく、「部屋に通されて、正式な挨拶を終えた後」です。

これがビジネスマナーや冠婚葬祭の場でも共通する、正式なマナーです。

なぜ玄関ではNGなのか?

これには、相手を思いやる明確な理由があります。

  • 玄関は落ち着かない場所だから 玄関は家の「入口」であり、お客様をもてなす場所ではありません。靴の脱ぎ履きなどで慌ただしくなりがちな場所で、大切な贈り物をやり取りするのはスマートではありません。
  • 相手に余計な手間をかけてしまうから 玄関先で手土産を受け取った相手は、それをどこかに置きに行かなければなりません。特に、他に荷物を持っていたり、スリッパを出そうとしていたりする時に、さらに手土産を持つ手間をかけさせてしまいます。

まずは、相手に促されるまま部屋にあがり、落ち着いた状況を作ることが、何よりの「思いやり」なのです。

手土産を渡すまでのスマートな流れ【完璧シミュレーション5ステップ】

では、訪問してから手土産を渡すまでの一連の流れを、具体的な会話例も交えながら見ていきましょう。

ステップ1:玄関での挨拶

インターホンを押し、相手が出てこられたら、まずは笑顔でハキハキと挨拶をします。 この時点では、手土産はまだ渡しません。手は体の横に添え、挨拶に集中しましょう。

「はじめまして。本日お約束させていただきました、佐藤健太と申します。本日はお招きいただき、ありがとうございます」

コートなどを着ている場合は、インターホンを押す前に脱いでおくのがマナーです。

ステップ2:部屋へ通される

「どうぞ、おあがりください」と促されたら、「失礼いたします」と一言添えて家にあがります。 靴を揃える際は、相手にお尻を向けないように、斜め向きの姿勢で揃えるとより丁寧です。

ステップ3:席へ着き、改めて挨拶

部屋に通されたら、指定された席(一般的には下座)に座ります。 勧められるまでは立って待ちましょう。

そして、全員が席に着き、場が落ち着いたタイミングで、改めて自己紹介と本日の用件を伝えます。

「改めまして、佐藤健太と申します。本日は、〇〇さんとの結婚のお許しをいただきたく、ご挨拶に伺いました」

ステップ4:【ここが本番!】挨拶の直後に手土産を渡す

さて、いよいよ手土産の出番です。 上記の正式な挨拶が終わった直後が、最もスムーズでベストなタイミングです。

  1. 紙袋から品物を出す まず、持参した紙袋や風呂敷から、品物を取り出します。手土産は、ホコリよけのために袋に入れて持参するものです。袋のまま渡すのはマナー違反になるので、必ず出しましょう。
  2. 相手から見て正面になるように向きを変える 品物を一度自分の方に向け、包装の乱れなどがないか確認します。その後、時計回りに90度ずつ2回(計180度)回し、相手から見て品物の正面が向くようにします。
  3. 心を込めた一言を添える 品物を差し出しながら、一言添えます。この一言が、あなたの印象を決定づけます。 「つまらないものですが」という定番のフレーズは、「つまらないものをくれるのか」と捉えられる可能性もあり、最近では避けるのが無難です。【おすすめの言葉】
    • 「〇〇さんから、皆様甘いものがお好きだと伺いましたので」
    • 「心ばかりの品ですが、どうぞ皆様で召し上がってください」
    • 「地元の名産で、とても評判が良いお菓子です。お口に合いますと嬉しいです」
  4. 両手で丁寧に差し出す 机の上などを滑らせるように渡すのはNGです。きちんと両手で持ち、相手に差し出しましょう。

ステップ5:渡した後の紙袋を処理する

品物を渡した後、手元には空の紙袋が残ります。 これは、相手から「こちらで処分します」といった申し出がない限り、自分で小さくたたんで持ち帰るのが正式なマナーです。さっとたたんで、自分のカバンの横などに置いておきましょう。

【シーン別Q&A】もう迷わない!手土産のこんな時どうする?

基本の流れは上記の通りですが、想定外の事態も起こりえます。 よくある疑問をQ&A形式で解決しておきましょう。

Q. 玄関先で「あら、わざわざすみません。こちらで頂戴しますね」と言われたら?

A. 相手の意向を尊重し、玄関で渡してOKです。 マナーの基本は相手への配慮です。相手がその方が良いと判断されたなら、それに従うのが正解です。「お部屋で渡そうと思っていたのですが」などと固辞せず、「では、失礼します」と臨機応応に対応しましょう。 その際も、紙袋から出して、正面を向けて渡すという基本は忘れないようにしましょう。

Q. 生花やアイスクリームなど、すぐに処理が必要なものはどうする?

A. 例外として、玄関で渡すのが親切です。 冷蔵・冷凍品、花瓶が必要な生花、水滴がつくような果物などは、すぐに処理が必要です。 この場合は、「冷凍品ですので、すぐにお納めください」「お花ですので、お手数ですがお水をお願いします」といった言葉を添えて、玄関先で渡すのが思いやりです。

Q. 渡す相手は、お父様?それともお母様?

A. 基本は、その家の主(お父様など格上の方)ですが、状況に応じて柔軟に。 一般的には、一家の主であるお父様(または上司)に渡します。 しかし、実際にはお母様(奥様)が受け取る方がスムーズな場合も多いです。両親が並んでいる場合は、その中央のスペースに置くようなイメージで差し出すと良いでしょう。誰に渡すか迷うより、その場の流れに合わせて自然に渡すことが大切です。

まとめ:マナーは相手への「思いやり」。自信を持って訪問に臨もう!

手土産の渡し方、もう完璧ですね。 最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • 渡す場所: 原則は「部屋に通された後」。玄関はNG。
  • 渡すタイミング: 席に着き、「正式な挨拶を終えた直後」。
  • 渡し方: 必ず紙袋から出し、相手に正面を向けて両手で渡す。
  • 添える言葉: 「つまらないものですが」は避け、ポジティブな言葉を選ぶ。
  • 例外: 冷蔵品や生花、または相手から促された場合は、玄関で渡しても良い。

一見、堅苦しく感じるマナーですが、その一つひとつは「相手に余計な気を遣わせない、手間をかけさせない」という、日本人が大切にしてきた「思いやり」の精神に基づいています。

正しい作法を知っているという事実は、あなたに自信と余裕を与えてくれます。 自信に満ちた落ち着いた振る舞いは、きっと相手にも好印象として伝わるはずです。 あなたの訪問が、素晴らしい一日になることを心から願っています。

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