「暑」の文字を見ると
いよいよ夏本番、
といった雰囲気になります。
夏から連想される漢字としては
トップクラスに入ってもいいくらいなのに
残念ながら「暑い」というと
どちらかといえば
不快を連想するようなイメージがあります。
海山への行楽や
夏休み・旅行・花火大会といった
楽しみを思い浮かべて
ワクワクする文字とは言えません。
そうはいっても
「小」の字がついているだけで
遠慮がちに季節の進み具合を
教えてくれているような節気が
「小暑」だと思います。
二十四節気・小暑はいつ・期間としての意味や暦について
日としての小暑は
夏至から数えて15日目ごろにあたる
7月7日ごろです。
期間として
いつからいつまでは、
7月7日ごろから
7月21日ごろまでとなります。
7月というと
もうすっかり夏という感じですが、
暦の上では
「これからが夏本番」
ということになります。
暦便覧では
小暑のことを
「大暑来る前なれば也」と
実にあっさりとした表し方で
記されています。
梅雨も明ける頃です。
本格的な夏服や夏布団の用意など
本格的な夏支度から風鈴を釣ってみたりなど
夏を楽しむ準備の他に夏バテしないための
体力づくり・準備にもいい時期となります。
二十四節気・小暑の読み方・意味や行事・行事食など
「小暑」は
「しょうしょ」と読みます。
暑さが強くなってくる、
夏の暑さが加わってくる頃、
という意味になります。
この頃の行事は
七夕が有名です。
七夕の起源については
いろんな話があります。
もともと7月7日は
古くから日本に伝わる
五節句のひとつでもありました。
有名な彦星と織姫のお話も
後から加わったものとされています。
由来はともかく七夕の日には
笹を飾り
短冊に願い事を書いて吊るす
というのもいいものです。
七夕の行事食は
あまりよく知られてはいません。
実は「素麺」が
行事食とされています。
日本にはたくさんの素麺生産地
があります。
一番歴史があるのは
奈良県の「三輪素麺」です。
麺の太さ・
手延べか機械式かなど
製法にもいろいろと差があります。
どれも美味しい評判の素麺なので
いろいろ食べ比べてみるのも楽しいですね。
普通に素麺つゆや酢醤油だけでなく
焼き素麺や
洋風にスパゲッティの代わりに使ったり
サラダにしたりと常備しておくと
いろんな料理に使える食材です。
他の身近な行事として
お盆があります。
8月のイメージがある
お盆ですが、
もともとお盆は
7月15日ごろの行事でした。
そのために地方によっては
7月にお盆を迎える習慣のあるところも
多くあります。
京都の祇園祭、
ハイライトの山鉾巡行は
前祭巡行(23基の山鉾)として17日・
後祭巡行(10基の山鉾)として24日
の2回行われています。
小暑のころの時候の挨拶など
暑中見舞いを出す時期については
いろんな意見があります。
「梅雨が明けたら」とする意見と
小暑から立秋の頃までとする意見、
土用の頃に出すものとする意見、
様々です。
暑中見舞いは
「暑さが厳しい頃に送るもの」ですから
梅雨明け頃から
送られることが多いものです。
注意するべきことは
「送り先の相手が住んでいる地域の気候」
ということになります。
自分のところは梅雨も明けて夏空続きでも
送り先のところはまだ梅雨明けしていなかったり
その逆ということもあるでしょう。
暑中見舞いは
「自分のいるところの気候」ではなくて
送ろうとする相手のいるところの気候
を考えて送るのが無難でしょう。
暑中見舞いに書きたいことは
「暑中お見舞い申し上げます」
という決まり文句が最初です。
その後
「暑い日が続くようになりましたが
お変わりございませんでしょうか。」
「暑さも本番となりましたが
皆様にはお変わりなくお過ごしのことと
存じます」
「夏真っ盛りですが
冷たいものを食べ過ぎたりしていませんか」
などと
相手の様子を気遣う言葉を書きます。
次には
自分の側の近況報告や
お礼などの用事がある場合は
それを書きます。
「私たちも暑さに負けないよう
元気に過ごしております。」
「新生活にもなじみ、
夏を迎えてよりいっそう元気にしております。」
などの他に
お中元を送ったことについての連絡や
頂いたことへのお礼などを書きます。
最後には
「暑い日が続きますが
お身体を大切にお過ごしください。」
などと先様への気遣いの言葉で
締めくくります。
暑中見舞いは
「季節のお見舞い・ご挨拶」なので
自分が喪中・先方が喪中であっても
送って構わないものです。
ただし
四十九日以降にするなどの
配慮をしましょう。
暑中見舞いを頂いて
返事を書く場合には
暑中見舞いの時期なら暑中見舞い・
残暑見舞いの時期なら残暑見舞い
ということで構いません。
受け取ったのが暑中見舞いの時期でも
返事を書くのが遅くなって残暑見舞いの時期
ということになっても構いません。
暑中見舞いは季節の挨拶なので
暑中見舞いを出したら
残暑見舞いを出すことはありません。
どちらか一方だけを出すものです。
学校が夏休みになる直前で
ワクワクとした高揚感がある時期が
「小暑の頃」だと思います。
子供たちにとっては
お休み中の楽しい予定がいっぱいで
楽しみな時期でしょう。
お母さん達にとっては
家が片付かなくなる・
お昼の支度の手間も増える
といったことが多いかもしれません。
一方で
冷たいものの食べ過ぎなど
体調を崩しやすい時期とも言えます。
水辺での事故やケガなども
気をつけたいことです。
小暑をきっかけに
夏の過ごし方について
家族みんなで話し合ってみるのも
いいことだと思います。
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