あまり知られていないものもある二十四節気の中にも
現代の生活の中でもよく聞いたりしてたくさんの人が知っている、
というものがあります。
知名度において
上位にくることが簡単に予想できる節気のひとつが
「啓蟄」でしょう。
季節の話題に登場したりということもありますし、
学校で教えてもらうチャンスもたくさんあります。
啓蟄は漢字で書くとなかなか難しいです。
でも意味するところは春そのものズバリなので、
二十四節気の中でも特にわかりやすいもの
ということも言えるでしょう。
二十四節気・啓蟄とは!いつのことか・期間はあるのか?暦ではどうなるのか
年によって変わる場合もありますが、
3月5、6日は啓蟄です。
雨水から数えて15日目ごろにあたり
春分までの期間となります。
3月5日ごろから
19日ごろまでです。
カレンダーに表示される「啓蟄」は
一日だけですが、これは「この日がこの節気の始まり」
ということになります。
暦の上ではいよいよ春の到来ですから
期間中の七十二候を見ると
少しずつ春本番に近づいている
ということが表現されています。
ちなみに七十二候とは
古代中国で考えられた季節を表す方法のことです。
二十四節気をさらにだいたい5日ずつ
3つに分けた期間のことを指します。
啓蟄の初めの頃は
蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
3月5日ごろから9日ころまで。
冬眠から目覚めたすべての生き物たちが
活動を始める頃です。
桃始笑(桃始めて咲く)
3月10日ごろから14日ごろまで。
いよいよ暖かくなり
桃の花が咲き始める頃です。
昔は花が咲くということを
「笑う」と表現したそうです。
なんだか幸せな感じのするいい方法ですね。
菜虫化蝶(なむしちょうとなる)
3月15日から19日ごろ。
菜っ葉についていた青虫達が
いよいよ蝶となる頃です。
蝶が舞飛ぶようになると
さすがに春本番ですね。
七十二候は
各二十四節気に伴ってあるものです。
本当に季節の変化を上手に表しているものが多いです。
中には「いや、これはないだろう」
という表現もありますが、
意味を考えると「うまい」と笑えるものも
いろいろとあります。
カレンダーで七十二候まで
表現してあるものはなかなかありませんが、
調べてみると面白いものです。
二十四節気・啓蟄読み方と意味は?行事や・旬の食べ物など
啓蟄は「けいちつ」と読みます。
土の中で冬ごもりをしていた虫たちが
春の暖かさを感じて地上に出てくる様子を表しています。
啓蟄の啓の文字には「開く」という意味があり、
蟄には土の中で冬眠している虫を表します。
実際に生き物たちが冬眠から覚めて
活動再開するのはみんな一斉ではありません。
当然、種別にバラバラです。
本当のところは気温が5度を下回らなくなり、
平均気温が10度を上回るようになってから
冬眠から覚める生き物が多いそうです。
この頃に行われる最大の行事はなんといっても
奈良・東大寺で行われる「修二会」(お水取り)でしょう。
「火の行」ともいわれる修二会は
二月堂に上げられるお松明が有名です。
建物全体に火が走っているような写真を
見たことのある人もいるでしょう。
有名なのは12日の大松明ですが、
本当は修二会の期間中(3月1日から14日)
毎日お松明があげられています。
この松明の火の粉をかぶると
無病息災で過ごせるともいわれ、
毎年多くの人で賑わいます。
その他啓蟄の頃に行われる行事として
「菰はずし」があります。
お寺や神社などで境内の大きな木の幹に
藁でできた腹巻のようなものが
巻いてあるのを見たことがある人もいるでしょう。
これは昔から伝わる害虫駆除の方法なのです。
有名なのはマツカレハという虫で松の木にとっては大敵です。
冬の間枯れ葉の間など暖かい場所に入って越冬する
という性質があるために松の幹に菰を巻いておくことにより
虫がそこに入ることを誘導するのです。
そして啓蟄になるとその菰を外して焼却します。
実際には効果がないとも言われていますが、
風物詩として執り行っているところは多いものです。
地方によっては「十六団子」といって
16個のお団子を神様にお供えする
という行事があります。
これは農作物を守るために
春になると山から神様が降りてくることを
お迎えするものです。
神様が降りてくるのが
春、3月の16日ごろとされ
お迎えのために16個のお団子をお供えするのです。
啓蟄の頃に旬を迎える食材は
鰆(さわら)
サヨリ
青柳
などの魚介類や
菜の花
蕨(わらび)
フキノトウ
新玉ねぎ
葉わさび
などがあります。
菜の花のおひたしに
鰆の塩焼きといった
献立はこの季節ならではでしょう。
魚を焼くまえにさっとレモンを絞っておくと
グリルに焦げ付きにくくなります。
啓蟄の頃の手紙・挨拶文は?俳句など
啓蟄の頃の俳句には
「虫穴を出て殺生石に魂も無し」 正岡子規
「啓蟄やわれらは何をかく急ぐ」 中村汀女
などがあります。
この頃の気候の挨拶としては
「早春の候」
「啓蟄の候」
などがあります。
親しい人に送る場合には
「啓蟄も過ぎ、暖かさも増して
春めいてきました。」
「桃の節句の頃となりましたね」
などもいいでしょう。
最近はメールでなんでも済ますことが
多くなっていますが、この時期は
ひな祭りとも重なるために
素敵なデザインのレターセットや
季節の切手・ハガキなどがたくさん目につきます。
特に季節に触れなくとも
そういった「季節のモチーフ」
を使うことで受け取った人にも
季節を感じてもらうことができますね。
切手や便箋などにも
ちょっとした季節のモチーフを採り入れることは
「洒落た心遣いのできる人」として
素敵ではないでしょうか。
コメント