
「やってしまった…」
仕事でのミスは、誰にでも起こりうることです。
しかし、その後の対応、特に社外の取引先への謝罪メールをどう書くかで、あなたの評価、ひいては会社の信頼が大きく左右されます。
「どんな件名にすればいい?」 「言い訳がましく聞こえないか不安…」 「コピペで使える丁寧な例文が今すぐ欲しい!」
この記事では、そんなあなたの悩みを解決します。
この記事を読めば、ただ謝るだけでなく、誠意を伝え、ピンチを乗り越え、むしろ信頼を回復させるための謝罪メールの書き方が分かります。
状況別の例文も用意したので、ぜひ参考にしてください。
謝罪メールは「構成」が9割!基本の5ステップ
急いでいる時ほど、焦って文章を書き始めてしまいがちです。
しかし、丁寧な謝罪メールには「型」があります。 まず、この基本構成を頭に入れましょう。
- 【最重要】謝罪の言葉
- ミスの具体的な内容
- 原因の報告
- 今後の対応策・解決策
- 再発防止の誓いと結びの言葉
なぜこの順番なのでしょうか? それは、相手が一番知りたいことに、最短で答える構成だからです。
言い訳から入ったり、経緯を長々と書いたりするのはNG。 まず**「何よりも先に、非を認めて謝罪する」**という姿勢が、誠意を伝える第一歩です。
【状況別】今すぐ使える!社外向け謝罪メール例文集
それでは、具体的な例文を見ていきましょう。 あなたの状況に合わせて、太字の部分などを書き換えてご活用ください。
例文1:納期遅延・納品ミスのお詫び(最も基本的なケース)
件名:【株式会社〇〇 田中】商品「△△」の納期遅延に関するお詫び
株式会社〇〇 営業部 部長 (相手の役職) 〇〇 〇〇(相手の氏名) 様
いつも大変お世話になっております。 株式会社△△の**(自分の名前)**です。
この度は、〇月〇日に納品予定でございました商品「△△」の生産に遅れが生じ、貴社へのお届けが遅れてしまいますことを、心よりお詫び申し上げます。 誠に申し訳ございません。
私の確認不足により、製造ラインへの指示に誤りがございましたことが原因です。
現在、最短でお届けできるよう、(具体的な対応策)の体制で生産を進めております。 正式な納品日につきましては、改めて本日15時までにご連絡させていただきます。
今後は、複数名でのダブルチェック体制を徹底し、二度とこのような事態を招かぬよう、万全の注意を払う所存です。
取り急ぎメールにてお詫び申し上げます。 本件につきましては、後ほど改めてお電話にてご説明、お詫びをさせていただきたく存じます。
重ねてにはなりますが、この度の不手際、誠に申し訳ございませんでした。
署名
例文2:請求書・書類の誤りのお詫び
件名:【株式会社〇〇 田中】〇月分ご請求書の誤りに関するお詫び
(宛名は上記と同様)
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 株式会社△△の**(自分の名前)**です。
先ほどお送りいたしました〇月分のご請求書につきまして、金額に誤りがございました。 多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
正しくは「〇〇円」のところ、誤って「△△円」と記載しておりました。 こちらの経理部門との連携ミスが原因でございます。
正しいご請求書を、ただ今再発行し、改めてメールに添付いたしましたので、お手数をおかけし大変恐縮ですが、ご確認いただけますと幸いです。
今後、このようなことのないよう、承認プロセスの見直しを行い、再発防止に努めてまいります。
何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
署名
謝罪メールの質を格段に上げる3つのポイント
例文をベースにメールを作成する際、以下の3点を意識すると、より誠意が伝わり、相手の心証も大きく変わります。
ポイント1:件名だけで「謝罪」と「用件」を明確に
多忙な相手は、毎日数十件のメールを受け取っています。 件名を見ただけで、**「誰から」「何の件で」「謝罪であること」**が瞬時に分かるようにしましょう。
- 悪い例: お詫び
- 良い例: 【株式会社〇〇 田中】〇月〇日の会議資料の誤りに関するお詫び
「【会社名 氏名】」を入れることで、相手は安心してメールを開くことができます。
ポイント2:言い訳は1ミリも入れない!原因は「自分ごと」として書く
たとえ部下のミスや、他部署のトラブルが原因だとしても、それをそのまま書くのは最悪です。 相手にとっては「社内の事情など知ったことではない」からです。
- NG例:「担当者が失念していたため、遅れてしまいました」
- OK例:「私の確認・監督不行き届きにより、遅れてしまいました」
責任の所在を明確にし、すべてを**「自分ごと」**として謝罪する姿勢が、信頼回復に繋がります。
ポイント3:メールだけで済ませない!電話でのフォローを約束する
本当に重大なミスの場合は、メールだけで済ませてはいけません。 メールはあくまで、取り急ぎの第一報と、事実関係を正確に伝えるためのものです。
メールの文末に**「後ほど改めてお電話にてご説明、お詫びをさせていただきたく存じます」**の一文を入れ、必ず電話でも謝罪しましょう。
電話を入れるタイミングは、メール送信後すぐが理想です。 迅速な行動が、あなたの誠実さの証明になります。
【絶対にダメ】信頼を失う謝罪メールのNG例
最後に、これだけはやってはいけない注意点です。 良かれと思って書いたことが、相手の怒りに油を注ぐこともあります。
- 時候の挨拶は不要 「拝啓 貴社ますますご清栄のことと〜」などは不要です。緊急性の高い謝罪メールでは、まどろっこしい印象を与えます。すぐに本題に入りましょう。
- 原因を他責にしない 前述の通り、「〜のせいで」「〜が原因で」と他者や環境のせいにするのは絶対にNGです。
- 抽象的な言葉で逃げない 「今後は気をつけます」「頑張ります」といった言葉では、何も解決しません。「ダブルチェック体制を徹底します」「承認プロセスを見直します」など、具体的な再発防止策を示しましょう。
まとめ:誠実な謝罪は、未来への投資
仕事のミスによる謝罪は、誰にとっても辛いものです。 しかし、ここでどう対応するかが、あなたのビジネスパーソンとしての真価が問われる瞬間です。
今回ご紹介した謝罪メールのポイントは以下の通りです。
- 基本構成5ステップを守る
- ①謝罪 → ②ミスの内容 → ③原因 → ④対応策 → ⑤再発防止策
- 状況別の例文をカスタマイズして使う
- 質を上げる3つのポイントを意識する
- ①件名の明確化、②自分ごとの原因報告、③電話でのフォロー
- NG例を避ける
ピンチはチャンス、という言葉があります。 誠実で迅速な謝罪は、失った信頼を取り戻すだけでなく、**「この人は信頼できる」「この会社は誠実だ」**と、以前よりも強固な関係を築くきっかけにさえなり得るのです。
この記事が、あなたの窮地を救う一助となれば幸いです。